持とは?
じ
持(じ)とは、俳句・連歌において、両者の句のどちらとも決め手がなく引き分けとする評価の用語です。
「持(じ)」は、俳句・連歌・和歌などの歌合(うたあわせ)や句合(くあわせ)において用いられる判定用語のひとつです。「引き分け」「優劣なし」を意味し、対戦する両者の作品が甲乙つけがたいと判断されたときに使われます。
歌合・句合は、二組に分かれた作者が作品を持ち寄って対戦形式で優劣を競う文芸の場です。判者(審判役)が各対の勝敗を「左勝(ひだりかち)」「右勝(みぎかち)」「持(じ)」の三種類で判定します。「持」と宣言されると、その対は引き分けとなり、双方に一勝も加算されません。
「持」の判定が下される状況は様々で、
- 両作品が同等に優れている場合
- それぞれ長所と短所があって甲乙がつけにくい場合
- 判者が明確な優劣を判断しかねる場合
などがあります。歌合の記録には判者の判詞(はんことば)が残されており、「持」とした理由が詳しく述べられているものも多く、当時の美意識や批評の在り方を知る貴重な資料となっています。
現代の俳句結社の句会でも、選者が複数の句を同点とする際の概念として「持」の感覚は生きています。古典文学・国文学を学ぶ上で理解しておくべき基本用語のひとつです。
使い方・例文
歌合の記録を読む際、「この対は持」という判定が出た場面では、判者がどちらの作品も甲乙つけがたいと評価したことを意味します。古典の授業や国文学の研究で頻出する用語です。
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