抗生物質耐性とは?
こうせいぶっしつたいせい
抗生物質耐性とは細菌が抗生物質の効果を無効化する能力を獲得し、本来有効だった薬剤での治療が困難になる現象のことです。
抗生物質耐性(antimicrobial resistance: AMR)とは、細菌が抗生物質(抗菌薬)に対して死滅しない、または増殖抑制されない性質を持つようになることです。抗生物質が医療・畜産・養殖の現場で大量に使われてきた結果、自然選択によって耐性菌が生き残り広まっています。
耐性を獲得する主なメカニズムは以下のとおりです。
- 薬剤を細胞外に排出する「排出ポンプ」の発達
- 抗生物質を化学的に分解・不活化する酵素の産生
- 薬剤が結合する標的タンパク質の構造変化
- 細胞壁の透過性低下による薬剤の取り込み抑制
特に問題となるのが多剤耐性菌で、複数の抗生物質に同時に耐性を持ちます。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や薬剤耐性結核菌などはその代表例です。
WHO(世界保健機関)は抗生物質耐性を現代の最も重大な公衆衛生上の脅威のひとつと位置づけています。養殖・畜産での予防的な抗生物質投与の削減、適切な処方の徹底、新たな抗菌薬の開発が世界的な課題となっています。
使い方・例文
術後感染の治療を担当する医師が標準的な抗生物質を投与しても改善が見られず、検査の結果、薬剤耐性菌による感染と判明したため、最終手段の抗菌薬を使用せざるを得ない状況が抗生物質耐性問題の典型例です。
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