承認論とは?
しょうにんろん
承認論とは、人が他者から認められることを求める欲求・承認を哲学・社会理論の中心的概念として論じる思想的潮流のことです。
承認論(しょうにんろん)とは、人間が他者から「承認(recognition)」されることを根本的に必要とするという観点に立ち、そこから個人のアイデンティティ・社会的正義・権力関係などを論じる哲学的・社会理論的な立場です。
承認論の哲学的起源はヘーゲルに遡ります。ヘーゲルは自己意識が他者との相互承認によって成立するという考えを示し、主人と奴隷の弁証法として論じました。この問題意識は後の社会哲学に大きな影響を与えています。
現代の承認論の代表的な論者としてはアクセル・ホネット(Axel Honneth)が挙げられます。ホネットは承認を次の三つの形態に分類しました。
- 愛(love):親密な関係における感情的な承認
- 権利(rights):法的・政治的に平等な主体として認められること
- 連帯(solidarity):社会の中で固有の価値や貢献を評価されること
これらの承認が損なわれた状態を「無視」や「蔑視」として捉え、それが社会運動や闘争の動機になると説明します。また、チャールズ・テイラーも多文化社会における「差異の政治」と承認の関係を論じています。
承認論は現代のアイデンティティ政治・多文化主義・フェミニズム・移民問題などを読み解く理論的枠組みとして広く参照されています。
使い方・例文
「承認論の視点から見ると、マイノリティの社会運動は単なる利益獲得ではなく、固有のアイデンティティを社会から認めてもらうための闘争として理解できる。」
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