懸造りとは?
かけづくり
懸造りとは、急峻な崖や山腹に柱を長く伸ばして建物を支える、日本独自の伝統的建築技法です。
懸造り(かけづくり)とは、山腹の急斜面や断崖などの不整地に建物を建てるために発展した日本独自の建築工法です。地面から長大な柱(束柱)を立て、それを格子状に組み合わせることで水平な床面を確保し、まるで崖にしがみつくように建物を「懸ける(かける)」ことからこの名があります。「懸け造り」「舞台造り」とも呼ばれます。
懸造りの構造的特徴は以下の点にあります。
- 地形に合わせて高さの異なる束柱を立て、水平梁で連結する
- 「貫(ぬき)」と呼ばれる横材を多用し、全体を一体的に組む
- 釘を使わず木材の組み合わせのみで強度を確保する伝統的工法が多い
- 建物の一部が崖から張り出した「舞台」となる場合が多い
最も有名な懸造りの建築は、京都の清水寺の本堂舞台です。高さ約13メートルの崖の上に約410枚の板を敷き詰めた舞台は、釘を一本も使わない組み木技術で支えられており、日本の木造建築技術の粋を示す存在として世界的に知られています。奈良の長谷寺・山形の山寺立石寺なども代表的な懸造り建築です。
懸造りは信仰の場として山腹に建てられた社寺建築に多く採用されており、自然地形と建築が一体となった独特の景観を生み出すとともに、日本建築の高度な技術力と自然への適応力を示す技法として高く評価されています。
使い方・例文
清水寺の「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句は、懸造りによって作られた高所の舞台に由来しており、日本人の日常語にも浸透しています。
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