懸造とは?
かけづくり
懸造とは、山の斜面や崖に張り出すように柱を立て、床を宙に浮かせる日本の伝統的な建築工法です。
懸造(かけづくり)とは、急峻な崖や斜面に建物を建てる際、長い柱や貫を地面から立て上げて床面を支える日本独自の建築技法です。「舞台造り」とも呼ばれ、建物が宙に張り出したような外観が特徴的です。
この工法は、平地の少ない山岳地帯に社寺を建立する必要性から発達しました。急勾配の地形をそのまま活かしながら、複数の細長い柱を組み合わせることで、大きな建築空間を確保します。柱同士を水平材(貫)で緊結することで、強風や地震に対しても柔軟に揺れを吸収する耐震性が生まれます。
代表的な例として以下が挙げられます。
- 清水寺(京都)— 「清水の舞台」として知られる舞台部分が懸造の最も著名な事例
- 長谷寺(奈良)— 深山の斜面に建つ礼堂が懸造で構成
- 投入堂(鳥取・三佛寺)— 絶壁の窪みに収まる極めて急峻な懸造建築
懸造は単に地形の制約に対応する工法にとどまらず、建物が自然の地形と一体化して見えるという美的価値も持ちます。山や崖という霊的な場所への信仰と、その地形を生かす建築的知恵が結びついた日本建築の精華といえます。
使い方・例文
「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句で知られる清水寺の舞台部分は、懸造の代名詞として広く知られています。急斜面に多数の長柱を組み上げた構造を間近に見ることができます。
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