心房性ナトリウム利尿ペプチドとは?
しんぼうせいなとりうむりにょうぺぷちど
心房性ナトリウム利尿ペプチドとは、心臓の心房から分泌されるホルモンで、体内の血圧や水分バランスを調節する働きをもつ物質です。
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP:Atrial Natriuretic Peptide)は、心臓の心房筋細胞から産生・分泌されるペプチドホルモンです。血液量の増加や心房壁への圧力上昇が刺激となり、分泌が促進されます。
ANPの主な作用は、腎臓に働きかけてナトリウムと水分の排泄を促し、循環血液量を減少させることです。また、血管を拡張させて末梢血管抵抗を低下させ、血圧を下げる効果もあります。さらにレニン・アルドステロン系やバソプレシンなど、血圧を上げる方向に働くホルモンを抑制する機能も持ちます。
ANPが重要視される理由のひとつは、心不全の診断マーカーとしての有用性です。心不全では心房への負担が増すためANPの血中濃度が上昇し、病態の重症度と相関することが知られています。臨床現場ではBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)とあわせて測定されることが多く、心疾患のスクリーニングや経過観察に広く活用されています。
ANPは1984年に日本の松尾壽之らのグループによって構造が解明され、循環器医学の進歩に大きく貢献しました。現在では心不全治療薬としてANP製剤(カルペリチド)も用いられています。
使い方・例文
健康診断の血液検査でANPやBNPの数値が高いと、心臓への負担が大きいサインとして精密検査を勧められることがあります。
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