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心学とは?

しんがく

江戸時代中期に石田梅岩が創始した庶民向けの実践的倫理・道徳思想で、正直・倹約・商人道徳の確立を説いた学問です。

心学(しんがく)とは、江戸時代中期の思想家・石田梅岩(いしだ ばいがん、1685〜1744年)が創始した倫理・道徳思想・実践運動のことで、正式には「石門心学(せきもんしんがく)」とも呼ばれます。儒学・仏教神道の教えを平易な言葉で融合させ、農民・商人・職人など庶民に向けてわかりやすく説いた点に特徴があります。

石田梅岩は京都の商家に奉公した経験をもとに、商業活動の倫理的な正当性を説きました。当時の儒学的社会観では武士頂点に農工商の順で序列が設けられ、商人は利益を追求する存在として軽んじられる傾向がありました。これに対し梅岩は「商人の正当な利益は武士の禄(俸禄)と同じ性格のものだ」と主張し、誠実な商業活動が社会に貢献するとして商人の地位向上に貢献しました。

心学の主な教えの柱は次の通りです。

  • 正直:嘘をつかず誠実に取引すること
  • 倹約:無駄を省き、質素な生活を旨とすること
  • 「心」の探求:禅の影響を受け、自己の心を見つめることで本来の善性を引き出す
  • 分を知る:自分の立場・役割をわきまえて行動すること

梅岩の死後、弟子の手島堵庵(てじま とあん)らが各地に「講舎(こうしゃ)」と呼ばれる無料の学習施設を開設し、18世紀後半から19世紀にかけて心学は全国的に普及しました。幕末期には勤勉・誠実・節約を基盤とした庶民道徳の形成に大きく貢献したと評価されています。

使い方・例文

「正直な商売こそが商人の道」という考え方を平易に説いた心学の講義は、識字率の高まった江戸中期以降に町人・農民の間で広く支持を集めました。

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