徳田秋声とは?
とくだしゅうせい
徳田秋声とは、明治から昭和にかけて活躍した日本の小説家で、自然主義文学の重要な担い手として知られる文学者です。
徳田秋声(とくだ しゅうせい)は、1872年(明治5年)に石川県金沢市に生まれ、1943年(昭和18年)に没した日本の小説家です。本名は徳田末雄といいます。尾崎紅葉に師事し、硯友社に参加したことで文学の道に進みました。
秋声の文学は、明治後期に日本に輸入されたフランス自然主義の影響を受けながら、日本的な私小説の形式を深化させたことに特徴があります。人間の生活の卑俗な部分や暗い側面を赤裸々に描く手法は、島崎藤村・田山花袋とともに日本自然主義文学の代表とされる所以です。
代表作には、長編小説『あらくれ』(1915年)があり、したたかに生きる女性の姿を描いた作品として高く評価されています。また、自伝的色彩の濃い『縮図』は戦時中の執筆という状況も相まって注目を集めました。晩年には私小説の形式をさらに深め、老境の孤独や人生の哀感を淡々とした筆致で綴りました。
秋声文学の特徴は次のように整理できます。
- 写実的・観察眼に基づく人物描写
- 下層・中間層の生活を主な舞台とした題材選び
- 感傷を排した淡々とした文体
- 女性登場人物の内面への鋭い洞察
1935年(昭和10年)に帝国芸術院会員となり、文壇における地位を確立しました。
使い方・例文
近代日本文学の授業や読書会で、自然主義文学を学ぶ際に徳田秋声の『あらくれ』が課題図書として取り上げられます。
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