彫漆とは?
ちょうしつ
彫漆とは、漆を何十層も塗り重ねて厚みを作り、その層を彫刻刀で彫って文様を浮き出させる漆工芸の技法です。
彫漆(ちょうしつ)とは、漆を何十層・何百層にもわたって塗り重ね、一定の厚みを持たせた後に彫刻刀で彫り込み、立体的な文様を表現する漆工芸の技法です。中国で発展した技法が日本に伝わり、独自の展開を遂げました。
彫漆は使用する漆の色と層の組み合わせによって、いくつかの様式に分類されます。
- 剔紅(ちくこう)— 赤漆のみを塗り重ねて彫る最も代表的な様式。日本では「堆朱(ついしゅ)」とも呼ばれる
- 剔黒(ちくこく)— 黒漆を塗り重ねて彫る様式(堆黒)
- 剔彩(ちくさい)— 赤・黄・緑・黒など複数の色漆を層ごとに替えながら塗り重ね、彫る深さによって異なる色が現れるようにした様式
彫漆の制作は非常に長期にわたります。漆は一日に数層しか塗れず、十分な厚みを得るまでに数ヶ月から数年を要することもあります。彫刻の段階では、鋭い彫刻刀で花鳥風月・龍・人物などの文様を丁寧に彫り上げます。漆の層の深さによって色が変化するため、緻密な設計が求められます。
彫漆は主に硯箱・印籠・盆・飾り物などに用いられ、その重厚な質感と繊細な彫りは漆工芸の中でも特に高い評価を得ています。鎌倉彫は日本で独自発展した彫漆の一形式として全国的に知られています。
使い方・例文
鎌倉の土産物として有名な「鎌倉彫」の盆や菓子皿は彫漆の一形式であり、赤や黒の漆地に蓮や菊などの文様が力強く彫られた作品が典型的な例です。
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