幸田文とは?
こうだあや
幸田文とは、明治の文豪・幸田露伴を父に持つ昭和の女性作家で、父の晩年の看護体験をもとにした『父・こんなこと』など、日常の細部に根ざした鋭い観察と格調ある文体で知られます。
幸田文(こうだ・あや、1904〜1990年)は、東京生まれの小説家・随筆家です。父は明治文学を代表する文豪・幸田露伴であり、その厳格な指導のもとで言語感覚と生活規律を培いました。正式な文学教育を受けたわけではなく、二度の結婚と生活体験の積み重ねの中から遅咲きの作家として登場しました。
1948年に「雑記」を発表して文壇デビューを果たし、続けて『流れる』(1955年)で日本文学大賞を受賞するなど、一躍注目を集めました。父の晩年の介護体験をつづった『父・こんなこと』は、世代を超えて読まれる名随筆として評価されています。
幸田文の作品の特徴は次のとおりです。
- 日常の所作や手仕事の細部にこだわった描写
- 江戸の気風を受け継いだ歯切れのよい文体
- 女性の生き方や老いへの正面からの向き合い方
- 自然(特に川や海)を題材にした晩年の紀行随筆
晩年は奥入瀬や富士山麓など自然の現場に赴き、旺盛な取材活動を続けました。娘の青木玉、孫の青木奈緒もそれぞれ文筆家として活躍しており、三代にわたる文学の系譜として知られています。
使い方・例文
昭和の女性文学を学ぶ場面や、父と子の関係を描いたエッセイの紹介記事などで、幸田文の作品が取り上げられることがあります。
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