古墨とは?
こぼく
古墨とは、数十年から数百年前に製造された墨のことで、長期熟成によって独特の深みある墨色と滑らかな墨液が生まれます。
古墨(こぼく)とは、製造から長い年月を経た古い墨のことを指します。一般に数十年以上経過したものを古墨と呼び、百年以上のものは特に珍重されます。松煙や油煙を膠(にかわ)で練り固めた墨は、熟成が進むにつれて膠が適度に変質し、独特の墨色と使用感が生まれます。
古墨の特徴は、新しい墨では得られない深みのある黒色と、すっと紙に馴染む滑らかな発色にあります。新しい墨は膠が多く残るため粘り気が強く、古墨は長年の乾燥・熟成でそれが和らいでいます。また古墨から生まれる墨色には「古色」と呼ばれる青みや渋みが加わることが多く、書道・水墨画の愛好家に高く評価されます。
古墨の産地としては、中国の徽州(現在の安徽省)が代表的で、明・清時代に製造された徽州墨は現在でも高い価値を持ちます。日本でも奈良が墨の産地として有名で、奈良の老舗墨店が作った数十年前の墨が古墨として流通することがあります。
古墨は書道家や収集家の間で骨董的価値も持ち、状態の良い古墨は数万円から数十万円で取引されることがあります。使用の際は十分に水を含ませて慎重に磨るのが基本です。
使い方・例文
書道の師匠から譲り受けた江戸時代の古墨を使うと、現代の墨とはまったく異なる艶やかな墨色が得られる、という話は書道の世界でよく語られます。
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