人間原理とは?
にんげんげんり
「原理」の用語まとめを見る人間原理とは、宇宙の性質が生命や知的存在の存在を許す範囲に限られるように見えることを、観測者の存在から説明する宇宙論的な考え方です。
人間原理(anthropic principle)とは、「宇宙の物理定数や構造が、なぜ知的生命体の存在を可能にする値を持つのか」という問いに対して、「観測者が存在するためには、宇宙がそのような性質を持っていなければならない」と答える論法です。ブランドン・カーターが1970年代に定式化しました。
人間原理には主に以下の2つの形式があります。
- 弱い人間原理(WAP):私たちが観測するこの宇宙は、知的生命体が存在できる条件を満たしている。なぜなら、そうでなければ私たちはここに存在して観測できないからである
- 強い人間原理(SAP):宇宙は知的生命体が存在できるような性質を持たなければならないと主張するより強い形式で、哲学的に議論が多い
この議論が注目される背景には「ファインチューニング問題」があります。電子の質量・光速・万有引力定数などの物理定数が少しでも違えば、星・惑星・生命は生まれなかったとされます。弱い人間原理はこれを「選択効果」として解釈します。すなわち、無数の宇宙の可能性のうち観測できる宇宙は生命が存在する宇宙だけであり、それは自明です。
人間原理はマルチバース(多宇宙)論とも深く絡み合い、宇宙論・哲学・宗教に関わる議論を生んでいます。科学的な予測力を持つかどうかについては物理学者の間で意見が分かれており、現在も活発な議論が続いています。
使い方・例文
宇宙の物理定数が「偶然」にも生命に都合よく見える理由を問われたとき、人間原理は「生命が存在しない宇宙では誰もその疑問を持てない」と説明します。宇宙論の教科書や哲学の議論でよく登場する考え方です。
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