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井筒とは?

いづつ

井筒とは、井戸の地上部分を囲む筒状の構造物のことで、また能の演目名としても広く知られています。

「井筒」には主に二つの意味があります。一つは建築・生活用語として、もう一つは日本の古典芸能である能の演目名としての用法です。

建築・生活用語としての井筒は、井戸の地上に設けられた筒状の囲いのことです。土や砂が崩れ落ちるのを防ぎ、人が誤って落ちないようにする安全装置の役割を果たします。石や木、煉瓦などで作られ、昔の暮らしに欠かせない構造物でした。「井筒に映る水面に自分の顔が映る」というような情景描写で古典文学にも多く登場します。

能の演目「井筒」は、世阿弥が作ったとされる曲で、能の中でも最高傑作の一つに数えられます。在原業平と紀有常の娘との幼い日の恋と、その後の純愛を描いた作品で、『伊勢物語』の「筒井筒」の段を典拠としています。幼少期に井筒を挟んで背比べをした男女の純粋な恋が、亡き後も女の霊として現れ、業平の装束をまとって舞う場面が有名です。

日本の古典文学や芸能において井筒は、恋愛・追憶・無常観などのテーマと結びついた象徴的なモチーフとなっています。

使い方・例文

「井筒」は日本庭園や古民家の解説、または能楽の話題で登場します。たとえば「この庭の中央には江戸時代の石造りの井筒が残っており、風情を添えている」や「今月の能の公演では、世阿弥作の傑作『井筒』が上演される」のように使われます。

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