井戸の茶碗とは?
いどのちゃわん
井戸の茶碗とは、江戸落語の古典演目で、貧乏な武士と正直者の屑屋が繰り広げる誠実さを描いた人情噺です。
井戸の茶碗は、落語の古典演目のなかで特に高潔な人間像を描いた噺として知られ、落語では珍しく笑いよりも心温まる人情が前面に出た作品です。タイトルの「井戸の茶碗」とは、茶道で珍重される朝鮮由来の茶碗の様式を指しますが、噺の中では思わぬ価値が隠れていたことを示す小道具として機能します。
あらすじはこうです。正直者で知られる屑屋の清兵衛が、貧しい浪人・千代田卜斎から古い仏像を買い取り、ある武士(細川藩士の高木佐久左衛門)に売ります。仏像の台座を掃除すると中から小判が出てきたため、高木は「知らないで買ったものの中に入っていた金は受け取れない」と清兵衛に返します。卜斎も「売ったものに入っていた金は受け取れない」と返し、お互いに譲り合う誠実さを見せます。さらに高木が持ち出した茶碗が名器「井戸の茶碗」と判明し、高値がつくことになります。
登場人物全員が正直で義理堅いという設定は落語では異例で、笑いよりも誠実さへの感動を呼ぶ演目です。古今亭志ん朝の十八番としても広く知られています。
使い方・例文
「井戸の茶碗のような話だ」と言えば、正直者同士が誠実さゆえに物事がうまく回っていく状況を指す比喩として使われることがあります。落語会では人情噺として演目名で紹介されます。
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