ロバート・エングルとは?
ろばーと・えんぐる
ロバート・エングルは、金融時系列の変動性を分析するARCHモデルを開発したアメリカの経済学者で、2003年にノーベル経済学賞を受賞しました。
ロバート・エングル(Robert Fry Engle III、1942年〜)は、アメリカの計量経済学者で、ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスの教授を務めています。2003年にクライヴ・グレンジャーとともにノーベル経済学賞を受賞しました。受賞理由は、時系列データにおける時変ボラティリティを分析する「ARCH(自己回帰条件付き不均一分散)モデル」の開発です。
金融市場では、価格の変動幅(ボラティリティ)が一定ではなく、時期によって大きくなったり小さくなったりする「ボラティリティ・クラスタリング」と呼ばれる現象が観察されます。従来の統計モデルはこの動的な変化を適切に捉えられませんでしたが、エングルが1982年に発表したARCHモデルはこの問題を解決しました。
ARCHモデルの主な特徴と発展は以下の通りです。
- 条件付き分散が過去の誤差項の二乗に依存する構造を持つ
- ティム・ボラースレフによる拡張版「GARCH(一般化ARCH)」モデルへの発展
- リスク管理・オプション価格評価・VaR計算などへの広範な応用
- 「動的条件付き相関(DCC)」モデルによるポートフォリオ分析への貢献
エングルの研究は、リスク管理の精度向上に直結し、銀行・保険・資産運用など金融業界全体で広く実用化されています。また彼はニューヨーク大学においてボラティリティ研究所を設立し、金融危機の予測や体系的リスクの研究も精力的に続けています。
使い方・例文
金融機関がリスク管理やバリュー・アット・リスク(VaR)の計算を行う際に、GARCHモデル(ARCHの発展型)が標準的なツールとして広く使われており、エングルの業績が実務の基盤となっています。
この用語をシェア
最終更新: