ムッラー・サドラーとは?
むっらーさどらー
ムッラー・サドラーとは、17世紀のイランで活躍したイスラム哲学者で、「超越的な知恵(ヒクマト・ムタアーリヤ)」を体系化した思想家です。
ムッラー・サドラー(本名:サドル・アッディーン・ムハンマド・シーラーズィー、1571/1572頃〜1640年頃)は、イランのシーラーズに生まれたイスラム哲学者・神学者です。サファヴィー朝が栄えた時代に生き、イスラム哲学の歴史において最も影響力の大きい思想家の一人とされています。
彼の哲学の核心は「ヒクマト・ムタアーリヤ(超越的知恵)」と呼ばれる独自の形而上学体系にあります。これはアリストテレス哲学、新プラトン主義、スーフィズム(イスラム神秘主義)、そしてシーア派神学を統合した思想です。存在論においては「存在の優位性(アサーラト・アル=ウジュード)」を主張し、本質よりも存在そのものが実在の根底にあると説きました。
代表作には全40巻にのぼる大著『アスファール・アルバア(四つの旅)』があり、現代のイラン哲学教育においても重要な教科書として使われています。また、精神と身体の関係、魂の不滅、認識論など幅広いテーマを扱いました。
彼の思想はイスラム哲学の「後期ペルシア哲学」の頂点として評価され、ムッラー・サドラー学派は現代のイランでも活発に研究されています。日本ではまだ研究者が少ない分野ですが、中東・西洋の哲学史を俯瞰するうえで欠かせない人物です。
使い方・例文
イスラム哲学や比較宗教学の講義で「存在と本質の問題」を論じる際に、ムッラー・サドラーの名前が登場することがあります。
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