ミトコンドリアβ酸化とは?
みとこんどりあべーたさんか
ミトコンドリアβ酸化とは、ミトコンドリアのマトリックス内で脂肪酸を順次分解してアセチルCoAとエネルギーを取り出す、最も主要な脂肪酸酸化経路のことです。
ミトコンドリアβ酸化(mitochondrial beta-oxidation)は、細胞のエネルギー産生の要となる代謝経路で、脂肪酸の炭素鎖をβ位(3位の炭素)から順番に切断してアセチルCoAを生み出します。ほぼすべての動物組織で行われますが、心筋・骨格筋・肝臓で特に活発です。
脂肪酸はまず細胞質でアシルCoAシンテターゼによってアシルCoAに変換され活性化されます。次にカルニチンアシルトランスフェラーゼ1(CPT1)の仲介でミトコンドリア内膜を越えてマトリックスに運ばれます。マトリックスでは4つの酵素反応が繰り返されます。
- 酸化(アシルCoAデヒドロゲナーゼ):FADH₂生成
- 水和(エノイルCoAヒドラターゼ):水の付加
- 再酸化(3-ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼ):NADH生成
- チオリシス(チオラーゼ):アセチルCoAを切り出し炭素数が2減少した新アシルCoAを生成
生成したアセチルCoAはクエン酸回路へ、NADH・FADH₂は電子伝達系へと送られてATPを産生します。不飽和脂肪酸や奇数鎖脂肪酸の場合は追加の異性化酵素や特殊な経路が必要です。ミトコンドリアβ酸化の先天性障害(MCHDなど)は低血糖・心筋症を引き起こす代謝疾患の原因として知られています。
使い方・例文
糖尿病や飢餓状態でインスリンが低下すると脂肪組織からの遊離脂肪酸が増加し、肝臓のミトコンドリアβ酸化が亢進してケトン体が大量産生される、いわゆるケトーシス状態が生じます。
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