ペーテル・クロポトキンとは?
ぺーてるくろぽときん
ペーテル・クロポトキンとは、19世紀ロシアの思想家・地理学者であり、国家や権威を否定し相互扶助による自由な社会を構想したアナキズムの代表的理論家です。
ペーテル・アレクセーエヴィチ・クロポトキン(Pyotr Alexeyevich Kropotkin、1842〜1921年)は、ロシアのモスクワに生まれた貴族出身の革命的思想家・地理学者・生物学者です。皇帝侍従武官の家庭に育ちながら体制批判の道を選び、アナルコ・コミュニズム(無政府共産主義)の最も重要な理論家の一人となりました。
クロポトキンは若い頃シベリア探検に参加し、優れた地理学的・博物学的調査を行いました。その経験の中でダーウィン進化論の「生存競争」一辺倒の解釈に疑問を抱き、動植物界に見られる「相互扶助(互いに助け合う行動)」が進化において競争と同等以上に重要な役割を果たすことを主張します。
彼の主要な思想は次のとおりです。
- 主著『相互扶助論』(1902年):自然界・人間社会に見られる協力・助け合いの事例を豊富に挙げ、競争ではなく相互扶助が社会進歩の原動力であると論じた
- 国家・政府・権威的制度はすべて廃止し、自由な合意による連合(コミューン)で社会を運営すべきとする無政府主義の立場
- 私有財産の廃止と生産手段の共有による共産主義的経済の実現
クロポトキンの思想はロシア革命前後のアナキスト運動に大きな影響を与えた一方、20世紀の協同組合運動・環境思想・ポスト資本主義論にも継承されています。1917年のロシア革命後に帰国しましたが、ボリシェヴィキの権威的路線を批判し、79歳で没しました。
使い方・例文
アナキズムの思想や「競争ではなく協力で社会は発展する」という議論を調べると、クロポトキンの『相互扶助論』が必ずといっていいほど引用されます。
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