本文へスキップ

パウル・ファイヤアーベントとは?

ぱうるふぁいやーあーべんと

ウル・ファイヤアーベントとは、「科学に方法はない」と唱えた20世紀オーストリア出身の急進的な科学哲学者です。

ウル・ファイヤアーベント(Paul Feyerabend、1924〜1994)は、オーストリア生まれの科学哲学者で、「アナーキスト的認識論」や「方法論的多元主義」を提唱したことで知られます。バークレー校カリフォルニア大学やETHチューリッヒなどで教鞭を執り、挑発的かつ文学的な文体で多くの著作を残しました。

彼の主著『方法への挑戦』(Against Method、1975年)は、20世紀科学哲学の中でも最も論争的な書物のひとつです。この著作でファイヤアーベントは、科学の歴史を詳細に検討すると「これさえ守れば科学が進歩する」という唯一の普遍的方法論は存在せず、「何でもあり(anything goes)」こそが科学の実態だと主張しました。

具体的な事例としてよく挙げるのがガリレオです。ガリレオが地動説を主張したとき、当時の証拠や合理的基準に照らせば地動説は弱い立場にありましたが、彼は修辞や宣伝的な手法も駆使して勝利したとファイヤアーベントは指摘します。これは科学の進歩が純粋な合理性だけによるものではないことを示す議論です。

また、西洋近代科学を特権的な知識体系と見なすことへの批判も展開し、呪術や神話といった他の知識形態も科学と同等に尊重されるべきだと論じました。この立場は当時の科学界から強い反発を受けましたが、科学の社会的・文化的文脈を問い直す議論に大きな刺激を与えました。

使い方・例文

「科学的方法の限界」や「科学と他の知識体系の関係」を論じる文章で、ファイヤアーベントの名前と「何でもあり」という言葉がしばしば登場します。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語