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ニルポテント元とは?

にるぽてんとげん

ニルポテント元とは、環の中でそれ自身を有限回かけ合わせると零元になる元のことで、代数学における環論の基本概念です。

ニルポテント元(nilpotent element)とは、環 R の元 x であって、ある自然数 n が存在して xⁿ = 0(零元)を満たすものを指します。「ニルポテント(nilpotent)」という語はラテン語の「nihil(無)」と「potens(力を持つ)」に由来し、「べき乗すると零になる」という意味合いを持ちます。

最も単純な例として、行列の文脈を考えると分かりやすいです。例えば、2×2の行列で第1行第2列の成分だけが1で他が0の行列を A とすると、A² = 0(零行列)となります。これはニルポテント行列の典型例です。

ニルポテント元の主な性質としては以下が挙げられます。

  • 可換環において、ニルポテント元の集合イデアル(冪零根基)を形成する
  • 1 + x(x がニルポテント元)は可逆元になる
  • ニルポテント元は整域(積が零にならない環)には存在しない

ニルポテント元の概念は代数幾何学においても重要で、スキーム理論では冪零元が「無限小」の役割を果たします。また線型代数では、ニルポテント行列はジョルダン標準形の理論と深く結びついており、線形変換の構造解析に欠かせない概念です。

使い方・例文

ニルポテント元は代数学・線型代数・代数幾何学の理論的文脈で登場します。「冪零根基はすべてのニルポテント元が含まれるイデアルである」「この変換行列はニルポテントなので、ジョルダン標準形の対角成分はすべて零になる」といった形で使われます。

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