ニコラウス・クザーヌスとは?
にこらうすくざーぬす
ニコラウス・クザーヌスは、15世紀ドイツの哲学者・神学者・枢機卿で、中世から近代へと移行する思想的転換期に「反対の一致」など独自の概念を提唱した人物です。
ニコラウス・クザーヌス(Nicolaus Cusanus、1401年〜1464年)は、ドイツのクース(モーゼル川沿い)生まれの哲学者・神学者・数学者・カトリック枢機卿です。本名はニコラウス・クリープスといい、出身地に因んでクザーヌスと呼ばれます。
クザーヌスはパドヴァ大学で法学・神学・哲学・数学を幅広く修め、後にローマ教皇庁の重要な役割を担う聖職者として活動しました。思想面での最大の貢献は「反対の一致(Coincidentia oppositorum)」という概念です。これは、神は無限の存在であるため、有限な人間の理性には捉えきれず、互いに矛盾するように見えるあらゆる対立(最大と最小、一と多など)が神において一致するという考え方です。
また、彼は「無知の知(Docta ignorantia)」という考え方を提唱しました。神についての真の知識に到達するためには、まず自らの知識の限界を自覚することが必要だという主張で、ソクラテスの「無知の知」とも響き合う思想です。主著「知ある無知(De docta ignorantia)」(1440年)に詳しく論じられています。
クザーヌスは数学的思考を哲学・神学に取り込んだ点でも先駆的であり、地動説や無限宇宙の概念を先取りするような宇宙論も展開しました。スコラ哲学と近代思想の橋渡し役として、ルネサンス哲学史上に重要な位置を占めています。
使い方・例文
哲学・神学の授業で中世末期から近代への移行期の思想家として登場します。「神学と数学を結びつけた哲学者」として、西洋思想史の流れの中で必ず言及される名前です。
この用語をシェア
最終更新: