トランスグレッションとは?
とらんすぐれっしょん
トランスグレッションとは、海水面の上昇や地盤の沈降によって海が陸地へ前進する現象で、地質学では海進とも呼ばれます。
トランスグレッション(transgression)は、地質学・地球科学の用語で、海と陸の境界が陸側へ移動する現象を指します。日本語では「海進(かいしん)」とも呼ばれます。反対に海が後退して陸地が広がる現象は「リグレッション(regression)」または「海退」といいます。
トランスグレッションが起きる主な原因は以下の通りです。
- 海水面の上昇:氷河期の終わりや温暖化による氷床の融解で海水量が増加する
- 地盤の沈降:構造的・等方的な地殻沈降により相対的に海面が上昇する
- 堆積物の減少:河川からの土砂供給が減り、海底の低下が相対的に浅くなる
地質記録では、トランスグレッションが起きた時代の地層は、沖合性の泥岩や石灰岩が沿岸性の砂岩の上に重なるパターン(海進層序)として認識されます。これを「トランスグレッシブシーケンス」と呼びます。
地球史上では、何度も大規模なトランスグレッションが繰り返されており、日本列島も過去に何度か大部分が浅海に覆われた時代がありました。現在は地球温暖化に伴う海水面上昇が進行しており、低地や島嶼地域では新たなトランスグレッションが懸念されています。気候変動の文脈でも注目される概念です。
使い方・例文
地質学の教科書で「白亜紀のトランスグレッションにより、北アメリカ大陸は浅い内海によって東西に分断されていた」というような形で使われます。堆積岩の層序解析や古地理の復元に欠かせない概念です。
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