トラベーションとは?
とらべーしょん
トラベーションとは、建築において柱と水平の梁(はり)で構成される構造システムで、アーチを用いない柱梁構造の原理を指します。
トラベーション(Trabeation、またはPost-and-Lintel)とは、建築構造の基本形式のひとつで、垂直の柱の上に水平の梁(lintel)を渡す「柱梁構造」を指します。「トラベート(trabeated)」とも呼ばれます。
この構造原理はアーチやヴォールト(曲線構造)とは対照的な形式です。エジプトの神殿柱廊、古代ギリシャのドーリス式・イオニア式・コリント式神殿など、古典古代の建築の大部分はトラベーション原理に基づいており、水平の軒(エンタブラチュア)を柱が支える構成が特徴的です。
トラベーション構造では梁材が引張力と曲げモーメントに対して抵抗する必要があり、石材では比較的短いスパンに限定されました。このため古代ギリシャ神殿では柱間隔が緩やかに制限されています。一方で木材や鉄・鉄筋コンクリートを用いることで現代建築でも広く採用されています。
西洋建築史においてはアーチ・ヴォールト構造(アーキュエーション)と並んで建築表現の二大原理とされており、様式の比較・分析に欠かせない基本概念です。
使い方・例文
建築史の教科書で古代ギリシャ神殿の構造を説明する際や、柱と梁の組み合わせによる設計を論じる文脈でトラベーションという言葉が使われます。
この用語をシェア
最終更新: