デファミリアリゼーションとは?
でふぁみりありぜーしょん
デファミリアリゼーションとは、慣れ親しんだものをあえて奇異に見せることで、読者に新鮮な認識をもたらす文学・芸術の技法です。
デファミリアリゼーション(defamiliarization)は、ロシアの文芸理論家ヴィクトル・シクロフスキーが1917年の論文「芸術としての技法」で提唱した概念で、ロシア語の「остранение(オストラネーニエ)」の英訳です。「異化」「陌生化」とも訳されます。日常的に見慣れているものを、まるで初めて目にするかのように描写することで、認識のマンネリ化を打ち破る芸術的手法を指します。
シクロフスキーは、人間は慣れによって物事を自動的・無意識的に処理するようになるため、深く認識しなくなると指摘しました。芸術の本質的な役割は、この「自動化」を阻んで知覚を取り戻すことにあるとし、そのための技術がデファミリアリゼーションだと論じました。
具体的な手法・実例には次のようなものがあります。
- トルストイが戦争のシーンを騎士道的な美化なしに生々しく描写した「戦争と平和」
- 日常道具を文脈から切り離して芸術作品として提示したデュシャンの「泉」
- ブレヒトの演劇における「異化効果(Verfremdungseffekt)」
- 現代映画での意図的な違和感演出
デファミリアリゼーションは文学批評・映画理論・デザイン思考など広い分野で参照され、既存の価値観を揺さぶり新しい視点を生み出す創造的手法として現在も影響力を持ち続けています。
使い方・例文
見慣れた風景を全く別の視点から詩的に描写したとき、「これはデファミリアリゼーションの手法を使い、読者に日常を異化させている」と分析されます。
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