デバイ遮蔽とは?
でばいしゃへい
デバイ遮蔽とは、電解質溶液やプラズマ中で、荷電粒子の周囲に逆符号のイオンや電子が集まることで、その静電ポテンシャルが遠方で指数関数的に弱まる現象のことです。
デバイ遮蔽(デバイしゃへい、Debye shielding)は、電荷を持つ粒子(イオン・電子)が多数存在する系(電解質溶液・プラズマ・半導体など)において、ある荷電粒子の電場が周囲のキャリアによって遮蔽され、短距離でのみ有効になる現象です。ピーター・デバイとエーリッヒ・ヒュッケルが電解質溶液の理論(デバイ=ヒュッケル理論)として定式化しました。
荷電粒子の周囲では、逆符号のキャリアが引き寄せられて「遮蔽雲」を形成します。その結果、静電ポテンシャルはクーロンの法則(1/r に比例)ではなく、ゆカワ型ポテンシャル(exp(−r/λ_D) / r)として急速に減衰します。この特徴的な長さ λ_D をデバイ長(デバイ遮蔽長)といいます。
デバイ長は以下に依存します。
- 温度が高いほど熱運動が強く遮蔽が弱まるため、デバイ長は長くなる
- イオン濃度(キャリア密度)が高いほど遮蔽が効き、デバイ長は短くなる
デバイ遮蔽が重要となる応用場面は多岐にわたります。
- プラズマ物理:宇宙プラズマや核融合炉での荷電粒子の相互作用
- コロイド科学:粒子間の静電反発(DLVO理論)
- 半導体デバイス:pn接合近傍の電荷分布の解析
- 生化学:タンパク質・核酸の生理的塩濃度下での挙動
使い方・例文
生理的な塩濃度(約150 mM NaCl)では水溶液中のデバイ長は約1 nmほどであり、タンパク質の表面電荷が及ぼす影響はごく近距離に限られることが説明できます。
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