センシビリティ小説とは?
せんしびりてぃしょうせつ
センシビリティ小説とは、18世紀イギリスで流行した、感受性・共感・情感を主題とし、登場人物の繊細な感情表現を重視した小説のジャンルです。
センシビリティ小説(Novel of Sensibility)は、18世紀後半のイギリス文学に花開いたジャンルで、sensibility(感受性・感情の鋭敏さ)を中心的な価値として描く小説群を指します。理性を重んじた啓蒙主義への反動として、感情・共感・涙・徳の表現が文学的美徳とみなされた時代の産物です。
このジャンルの特徴として以下の点が挙げられます。
- 登場人物が他者の苦しみに強く共感し、涙を流したり卒倒したりする場面が頻出する
- 感情豊かであることが道徳的な優位を示すと考えられた
- 書簡体小説の形式が多用され、内面の感情が丁寧に描かれる
- 美しい自然景観と心理描写が結びつくロマン主義の先駆けとなった
代表作としては、サミュエル・リチャードソンの『パミラ』(1740年)やローレンス・スターンの『感傷的な旅』(1768年)、ヘンリー・マッケンジーの『感情の人』(1771年)などが挙げられます。
センシビリティ小説はのちにロマン主義文学やゴシック小説の発展に影響を与えました。一方でジェーン・オースティンは『分別と多感』(1811年)でこのジャンルの過剰な感情礼賛を批判的に描き、文学史に興味深い対話を生んでいます。
使い方・例文
イギリス18世紀文学の講義で「センシビリティ小説とロマン主義の関係」として扱われ、オースティン作品の背景を理解する際にも参照されます。
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