ステファンの五つ子とは?
すてふぁんのいつつご
ステファンの五つ子とは、ペガスス座方向に集まって見える5つの銀河の集まりで、そのうち4つが実際に重力で結びついた銀河群です。
ステファンの五つ子(Stephan's Quintet)は、ペガスス座方向に観測される5つの銀河が密集した天体グループで、1877年にフランスの天文学者エドゥアール・ステファンによって発見されました。カタログ番号ではHCG 92(ヒクソン・コンパクト銀河群92)として知られています。
「五つ子」と呼ばれますが、実際にはうち1つ(NGC 7320)は約4,000万光年の距離にある前景銀河であり、残りの4つ(NGC 7317・7318a・7318b・7319)は約3億光年彼方で互いに重力的に束縛された本物の銀河群をなしています。この視線方向の偶然の重なりが長年の議論を生み、銀河の距離測定や赤方偏移の解釈について歴史的な論争の舞台ともなりました。
4つの銀河からなる本物の群では、銀河どうしが衝突・合体を繰り返しており、その相互作用によって激しい星形成領域や、銀河間に広がる高温ガスのフィラメントが形成されています。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測ではこの相互作用の詳細な構造が捉えられ、衝撃波によって加熱された巨大な水素ガス雲や多様な星形成の様子が明らかになっています。
コンパクト銀河群の中でも特によく研究された例として、銀河の合体・進化の過程を理解するうえで重要な天体です。
使い方・例文
天文学の教科書や銀河進化の解説では、銀河どうしの相互作用・合体の実例としてステファンの五つ子の画像が頻繁に使われます。JWSTの公開画像でも注目を集めた天体です。
この用語をシェア
最終更新: