ジョリス=カルル・ユイスマンスとは?
じょりすかるるゆいすまんす
ジョリス=カルル・ユイスマンスとは、19世紀フランスの小説家で、自然主義からデカダンス(耽美主義)への転換を体現した作家です。
ジョリス=カルル・ユイスマンス(Joris-Karl Huysmans、1848〜1907)は、フランスのパリに生まれた小説家です。オランダ系の家系を持ちながらフランス語で創作し、初期はエミール・ゾラの自然主義文学の流れに属していましたが、次第に独自の耽美的・神秘主義的な方向へと歩みを進めました。
代表作『さかしま(À rebours)』(1884年)は、世俗から離れて芸術と感覚の追求に没頭する主人公デ・ゼッサントを描いた作品で、デカダンス文学の聖典と呼ばれています。この小説はオスカー・ワイルドら英国の唯美主義者たちにも多大な影響を与え、19世紀末ヨーロッパの文化風潮を象徴する作品となりました。
その後ユイスマンスは精神的な変遷を経てカトリシズムへと回帰し、『彼方(Là-bas)』(1891年)では悪魔主義と中世の神秘を、『途上(En route)』(1895年)以降の作品では信仰回帰をテーマに扱いました。晩年はベネディクト会の修道院生活に深く傾倒し、その経験が作品世界に反映されています。
文学史においては、19世紀の自然主義と20世紀の象徴主義・シュルレアリスムをつなぐ架け橋として重要な位置を占めています。
使い方・例文
デカダンス文学や19世紀末の耽美主義を解説する文脈では、ユイスマンスの『さかしま』がその代表例として必ず言及されます。
この用語をシェア
最終更新: