グンナー・ミュルダールとは?
ぐんなーみゅるだーる
グンナー・ミュルダールは、スウェーデンの経済学者・社会科学者で、累積的因果関係の理論や南北問題・福祉国家論への貢献でノーベル経済学賞を受賞しました。
グンナー・ミュルダール(Gunnar Myrdal、1898〜1987年)は、スウェーデンを代表する経済学者・社会科学者であり、妻のアルヴァ・ミュルダールとともに20世紀を代表する知識人夫妻として知られます。1974年にノーベル経済学賞を受賞しました(フリードリヒ・ハイエクと共同受賞)。
ミュルダールの最も重要な理論的貢献は「累積的因果関係」の概念です。これは、貧困・格差・社会的不平等は一度生まれると自己強化的なサイクルを形成し、放置すれば悪化し続けるという考え方です。たとえば、貧しい地域では教育水準が低く、低収入の人が増え、さらに地域が貧しくなるという連鎖が生じます。
主な業績は多岐にわたります。
- アメリカの人種問題を分析した大著『アメリカのジレンマ』(1944年)—黒人差別の社会的・経済的構造を包括的に論じた
- スウェーデンの福祉国家モデルの理論的基盤を提供
- 開発途上国と先進国の格差(南北問題)の研究
- 社会科学における価値中立の限界を論じた方法論的貢献
ミュルダールは経済学を社会的・政治的文脈から切り離せないものとして捉え、政策と理論を結びつけた実践的な社会科学を追求しました。その業績は福祉国家論・開発経済学・人種問題研究にわたる広い分野に影響を与えています。
使い方・例文
福祉政策や地域格差の研究で「貧困の悪循環」を論じるとき、ミュルダールの累積的因果関係の概念が参照されます。社会科学・経済学の教科書でも頻繁に登場します。
この用語をシェア
最終更新: