グノーシス主義とは?
ぐのーしすしゅぎ
グノーシス主義とは、霊的な「知識(グノーシス)」によってのみ魂が救済されると説く、古代に栄えた宗教思想の総称のことです。
グノーシス主義(Gnosticism)とは、1世紀から3世紀ごろにかけて地中海世界に広まった宗教・哲学的思想の総称です。「グノーシス」はギリシア語で「知識」「認識」を意味し、神秘的な霊的知識の獲得によって魂が救済されるという考え方を根本に置きます。
グノーシス主義に共通する世界観の特徴は、善なる最高神(真の神)と、この物質世界を創った劣った神(デミウルゴス)を明確に区別する点にあります。物質世界は誤り・悪・束縛の場とされ、人間の魂は本来この世界に属さない「光の欠片」であり、グノーシス(霊的知識)を得ることによってのみ物質の牢獄から解放され、真の神のもとへ帰還できると説きます。
グノーシス主義の主な潮流・派閥には以下があります。
- ヴァレンティノス派(キリスト教的グノーシスの代表)
- マルキオン派(旧約の神と新約の神を別存在とみなす)
- マンダ教(現在もイラク・イランに信者が残る)
- マニ教(光と闇の二元論を徹底させた国際宗教へ発展)
初期キリスト教とは複雑な関係にあり、グノーシス派の多くはキリスト教の要素を取り込みながらも正統教会から異端と断定されました。1945年にエジプトのナグ・ハマディで発見された文書群(ナグ・ハマディ文書)により、グノーシス主義の実態が直接一次資料から研究できるようになり、現代でも活発に研究が行われています。
使い方・例文
グノーシス主義は哲学・文学・映画にも影響を与えており、映画『マトリックス』の「見えない真の世界」という設定はグノーシス主義的な世界観との類似を指摘されることがあります。
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