クロマチシズムとは?
くろまちしずむ
クロマチシズムとは、半音階を積極的に用いて音楽に色彩感や緊張感を与える作曲上の手法や様式です。
クロマチシズム(chromaticism)は、西洋音楽において、基本となる全音階(ダイアトニック)の音以外の半音階的な音(クロマティック音)を意図的に多用する手法・傾向のことです。「クロマ(chroma)」はギリシャ語で「色」を意味し、音楽に豊かな色彩や感情的なニュアンスを加えることからこの名が生まれました。
ダイアトニックな音楽は、たとえばハ長調であればドレミファソラシドの7音を中心に進行します。クロマチシズムではそれ以外の黒鍵に相当する音(嬰音・変音)を自由に取り込み、予期せぬ半音進行や和音の変化を生み出します。
歴史的には、バロック期のバッハも感情表現に半音階を用いましたが、クロマチシズムが特に際立ったのはロマン派(19世紀)です。ワーグナーの楽劇、特に「トリスタンとイゾルデ」の冒頭和音(トリスタン和音)はクロマチシズムの極致とされ、調性の解体へとつながりました。20世紀には無調音楽や十二音技法へと発展します。
クロマチシズムの主な効果は以下の通りです。
- 感情的な緊張感・官能性・不安感の表現
- 転調を滑らかにする橋渡しの役割
- 和声の色彩を豊かにする装飾的効果
ポピュラー音楽でも、ジャズのオルタードスケールやブルーノートなどにクロマチシズムの影響が見られます。
使い方・例文
バラードで感情が高まる場面に半音刻みのメロディーラインが現れる場合、それはクロマチシズムの典型的な使い方です。
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