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エクリチュールとは?

えくりちゅーる

クリチュールとは、フランスの思想家ロラン・バルトらが用いた概念で、書くという行為に内在する様式・様式的選択の総体を指します。

クリチュール(écriture)はフランス語で「書くこと・書き方」を意味しますが、文学理論・記号論の文脈では、ロラン・バルトが著書『零度のエクリチュール』(1953年)で定式化した概念として特に重要です。バルトはここで、言語(ラング)・文体(スティル)と区別される第三の次元として「エクリチュール」を位置づけました。

バルトの定義によれば、エクリチュールとは作家が歴史・社会・イデオロギーの中で選択する書き方の様式であり、書き手が意識的・無意識的に引き受ける記述の倫理的・政治的選択を含みます。あるエクリチュールは特定の階級的・政治的意味合いを帯び、別のエクリチュールはそれを問い直そうとする。バルトが提唱した「白いエクリチュール(零度のエクリチュール)」は、そうしたイデオロギーから最大限に距離を置こうとする中立的な書き方を理想としたものです。

ジャック・デリダはエクリチュールの概念をさらに拡張し、音声言語に対して書き言葉を二次的とみなす西洋哲学の伝統(音声中心主義)を批判。あらゆる意味の差異化を生み出す痕跡の運動そのものをエクリチュールと呼びました。

エクリチュールの概念は、文学批評・文化研究・ジェンダー研究(「女のエクリチュール」)など幅広い分野に応用され、現代思想の重要なキーワードとなっています。

使い方・例文

文学理論や現代思想の講義で、「この作家のエクリチュールは政治的中立を装いながら特定のイデオロギーを内包している」といった形で使われます。

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