アントラセンとは?
あんとらせん
アントラセンとは、3つのベンゼン環が直線状に縮合した多環芳香族炭化水素で、蛍光性・反応性から色素・有機半導体・有機EL材料などに利用される化合物です。
アントラセン(Anthracene)は、分子式C₁₄H₁₀で表される多環芳香族炭化水素(PAH)です。3つのベンゼン環が直線状に縮合(アセン型)した構造をもち、常温では白色〜無色の固体で、特徴的な青紫色の蛍光を発します。コールタールの蒸留によって得られる化合物として古くから知られています。
化学的性質と反応性:アントラセンはベンゼンやナフタレンに比べて反応性が高く、特に中央の9・10位の炭素が反応しやすい特徴があります。
- 光二量化反応:紫外線照射で2分子のアントラセンが[4+4]環化付加し、ジアントラセンを形成
- ディールス・アルダー反応:ジエンとして機能し、求ダイエノフィルと環化付加反応を起こす
- 酸化:アントラキノン(9,10-アントラキノン)に酸化され、染料の原料となる
用途:
- 有機EL(OLED)素子の発光材料・ホスト材料
- 有機半導体・有機薄膜トランジスタ材料
- シンチレーター(放射線検出素子)
- アントラキノン染料・合成樹脂の原料
安全性:アントラセン自体の毒性は比較的低いとされていますが、多環芳香族炭化水素の一種として取り扱いには注意が必要です。
使い方・例文
アントラセンはスマートフォンのディスプレイなどに使われる有機EL(OLED)材料の基本骨格として重要であり、有機化学・材料科学の文脈でよく登場します。
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