アナトール・フランスとは?
あなとーるふらんす
アナトール・フランスとは、懐疑主義的な人道主義の立場から社会を批評し、1921年にノーベル文学賞を受賞したフランスの小説家・評論家です。
アナトール・フランス(1844〜1924年)は、パリ生まれのフランスの小説家・批評家・詩人です。本名はアナトール=フランソワ・ティボーといい、「アナトール・フランス」はペンネームです。博覧強記の知識と鋭い諷刺精神を武器に、権威・宗教・政治的偽善を批判する作品を生涯にわたり発表し続けました。
その文学は穏やかな懐疑主義と人道主義を基調としており、「エピクロスとモンテーニュの精神を受け継いだ作家」と評されることがあります。ドレフュス事件(1890年代)ではエミール・ゾラとともに無実を訴える側に立ち、知識人としての社会的発言でも知られます。
代表的な作品は以下のとおりです。
- 『シルヴェストル・ボナールの犯罪』: 老学者の純朴な善意を描いた初期の代表作
- 『ペンギンの島』: 人類の歴史を架空の島国に仮託した政治諷刺小説
- 『神々は渇く』: フランス革命期の恐怖政治を描いた歴史小説
- 『エルサレム』などの歴史・宗教をめぐる作品群
1921年、「輝かしい文学的業績、その文体の的確さ、および真の気質のガリア的精神に対して」ノーベル文学賞が贈られました。後年は社会主義的傾向を強め、晩年のサルトルら次世代からは「ブルジョア的」と批判される一面もありましたが、フランス近代文学史における重要な位置は揺るぎないものがあります。
使い方・例文
フランス近代文学の概説や19世紀末から20世紀初頭の思想史を扱う書籍で「アナトール・フランスの懐疑的ヒューマニズム」として紹介されます。
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