アイリーン・グレイとは?
あいりーんぐれい
アイリーン・グレイは、20世紀アイルランド出身の建築家・デザイナーで、モダニズム家具の先駆者として「Eテーブル」など今も生産されるデザイン名品を世に送り出しました。
アイリーン・グレイ(Eileen Gray、1878〜1976年)は、アイルランドのウェックスフォードに生まれた建築家・インテリアデザイナーです。ロンドンのスレイド美術学校でラッカー技法を学び、のちにパリに移住して活動の拠点を築きました。
グレイは20世紀初頭にパリでラッカー家具や屏風の工房を開き、日本の漆技法をアール・デコの様式と融合させた独自の作風で高い評価を得ました。その後、彼女のデザインはモダニズムの影響を受け、機能性と美しさを両立させた抽象的・幾何学的な形態へと進化していきました。
建築家としての代表作は、1929年に南フランスのロクブリュヌ=カップ=マルタンに完成させた住宅「E-1027」です。この邸宅は機能的なモダニズム建築の傑作とされ、可動式のパーティション、内蔵収納、多目的に使える家具など革新的なアイデアが随所に盛り込まれています。
彼女のデザイン作品の中で特に有名なものには次のものがあります。
- 「Eテーブル」(バイロウム・テーブル):クロームパイプと丸いガラス天板によるサイドテーブル
- 「アジャスタブルチェア」:背もたれの角度を変えられるラウンジチェア
- 「トランサット・チェア」:日光浴用に設計されたデッキチェア
生前は男性中心の建築・デザイン界においてその功績が過小評価されていましたが、1970年代以降に再評価が進み、現在ではモダニズムデザインの先駆者として確固たる地位を占めています。2009年にはオリジナルの「ドラゴンチェア」がオークションで約2800万ドルという記録的な高値で落札されました。
使い方・例文
コーヒーテーブルの横に置かれた細いパイプ脚と丸いガラス天板のサイドテーブルを見て「アイリーン・グレイのEテーブル」と気づく人は、モダンデザインの通といえます。
この用語をシェア
最終更新: