本文へスキップ

たらし込みとは?

たらしこみ

たらし込みとは、日本画の技法の一つで、紙や絹に濡れた絵の具の上に別の色をたらし、乾く前に自然な滲みや境界の美しさを生み出す技法です。

たらし込みとは、日本画(主に江戸時代の装飾的な大和絵や琳派の作品)に見られる独特の技法で、まだ乾いていない絵の具や水の上に別の色の絵の具をたらしこむことで、意図的に滲みやぼかし、独特の模様を生み出す表現方法です。

具体的な手順としては、まず紙や絹の上に水分の多い絵の具を置き、その表面が完全に乾く前に、異なる色の絵の具を筆の先などでそっと垂らします。すると、先に置いた色と後からたらした色が混ざり合い、絵の具が乾く過程で自然に広がったり収縮したりして、筆では描けない有機的な境界線や滲みのパターンが生まれます。

たらし込みは江戸時代の絵師・尾形光琳や俵屋宗達らが活用したことで知られ、琳派の装飾的かつ大胆な画風を形作る重要な要素となっています。代表的な作品としては、宗達の「風神雷神図屛風」や光琳の「紅白梅図屛風」の水の表現などに見ることができます。

この技法の特徴は以下のとおりです。

  • 自然の偶発性を利用した、再現困難な一期一会の表現が生まれる
  • 雲・水・花びら・霞など、自然物の柔らかさを表すのに特に効果的
  • 計算された偶然性を活かすため、高度な経験と感覚が求められる

現代でも日本画の基礎技法として受け継がれており、水彩画や現代アートにも影響を与えています。

使い方・例文

「琳派の絵画で雲や水流がぼんやりとにじんで見える表現は、たらし込みによって生み出されたものです。」

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語