魯迅とは?
ろじん
魯迅とは、封建的な旧中国社会を鋭く批判し、近代中国文学の確立に決定的な役割を果たした作家・思想家で、「中国近代文学の父」とも呼ばれます。
魯迅(1881〜1936年)は、中国浙江省紹興出身の作家・思想家・文学者で、本名は周樹人といいます。日本に留学し医学を学ぶ途中で方向転換し、「精神の病を治すには文学こそが必要だ」と考えて文筆活動に転じた経緯はよく知られています。
1918年に発表した短編小説「狂人日記」は、中国文学史上初めて口語文(白話)で書かれた近代小説とされ、封建的な礼教社会を「人喰い」に喩えた寓意的な告発として衝撃を与えました。1921年発表の「阿Q正伝」は、精神的な自己欺瞞によって実態を見ようとしない「阿Q精神」を通じて、旧体制のもとでの中国人の心理を鋭く風刺した作品で、現在も中国・日本で広く読まれています。
魯迅の文学の中心テーマは次のように整理できます。
- 封建道徳・儒教的倫理への批判
- 民衆の愚昧さと知識人の苦悩
- 旧慣習に縛られる者たちへの同情と告発
- 中国社会の近代化への希求
随筆・批評・翻訳でも多くの仕事を残し、後の中国文学者・知識人に広範な影響を与えました。中華人民共和国成立後も「偉大な文学者・思想家・革命家」として高く評価され、その著作は学校教育に広く取り入れられています。
使い方・例文
中学・高校の国語や現代文の教科書に「故郷」や「阿Q正伝」が収録されることがあり、「阿Q的」という表現は現代日本語でも「現実から目を背ける精神的勝利法」を指す言葉として使われることがあります。
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