里見弴とは?
さとみとん
里見弴とは、明治から昭和にかけて活躍した日本の小説家で、白樺派の一員として洗練された作風の恋愛小説・風俗小説を多く著した文学者です。
里見弴(さとみ とん)は、1888年(明治21年)に神奈川県横浜市に生まれ、1983年(昭和58年)に没した日本の小説家です。本名は山内英夫といいます。志賀直哉らとともに雑誌『白樺』の創刊に参加し、白樺派の作家として文壇に登場しました。
白樺派は、人道主義・個人主義・理想主義を掲げた文学グループで、里見はその中でも独自の軽妙な文体と洒脱な人間観察で知られます。志賀直哉が厳格な倫理意識に基づく小説を書いたのに対し、里見は人間の弱さや享楽的な面を肯定的に受け止めた作風で対比されることがあります。
主な作品には、『多情仏心』(1922〜23年)があり、男女の複雑な感情模様を描いた長編として代表作とされています。他に『善心悪心』『恋ごころ』など、恋愛や人情を軸にした作品を数多く発表しました。また、短編においても洗練された語り口と温かみのある人物描写が評価されています。
里見の文学的特徴は次のようにまとめられます。
- 軽妙洒脱で読みやすい文体
- 人間の弱さや色恋沙汰への寛容な視線
- 上流・中流の都市生活者を中心とした世界観
- 長寿(94歳)による長い創作活動
戦後も精力的に執筆を続け、日本文学史において息の長い作家として記憶されています。
使い方・例文
大正・昭和の文学を研究する際に、白樺派の多様性を示す例として里見弴の名前と作品が引用されます。
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