自伝的記憶とは?
じでんてききおく
自伝的記憶とは、自分が体験した出来事や個人の歴史に関する記憶の総体で、自己同一性(アイデンティティ)の基盤を形成する記憶システムです。
自伝的記憶(じでんてききおく、英語: autobiographical memory)とは、個人が実際に経験した出来事・感情・文脈についての記憶の集合体です。単なる事実の記録ではなく、「自分とは何者か」という自己感覚(アイデンティティ)を支える根幹的な記憶システムです。
構造と特徴として、自伝的記憶は以下の層から成るとされます。
- 特定エピソード記憶:「あの日、あの場所で起きたこと」という具体的な出来事の記憶
- 一般的イベント記憶:「子どもの頃、毎週末は公園に行っていた」という繰り返し経験のまとまり
- 人生の時期:「学生時代」「就職後」など大きなライフ段階の区分
感情と記憶の関係では、感情を伴う体験ほど鮮明に記憶されやすく、フラッシュバルブ記憶(衝撃的な出来事の瞬間を写真のように覚えている現象)もその一例です。ただし感情が強い記憶は主観的なゆがみも生じやすく、後から「意味づけ」が変わることもあります。
自伝的記憶は心理療法でも重要な役割を果たします。過去の記憶の再解釈・再構成が自己概念を変え、うつ病や外傷後ストレス障害の回復に関わるとされています。また、記憶が語れることで他者との共感的なつながりが生まれ、社会的な絆の形成にも貢献します。
使い方・例文
「初めて自転車に乗れた日の達成感」や「大切な人との別れの場面」のように、個人の歴史を形づくる体験の記憶が自伝的記憶です。カウンセリングや自伝を書く作業でよく参照されます。
この用語をシェア
最終更新: