民主的後退とは?
みんしゅてきこうたい
民主的後退とは、民主主義的な制度・規範・価値観が徐々に弱体化していく過程や現象のことです。
民主的後退(democratic backsliding)とは、一度民主化を達成した国家において、選挙の公正性の低下、法の支配の侵食、メディアへの圧力、市民社会の抑圧などを通じて、民主主義の質が徐々に劣化していく現象を指します。かつての軍事クーデターのような急激な体制転換とは異なり、形式的な民主的手続きを維持しながら進行するのが特徴です。
民主的後退の典型的な経路としては以下が挙げられます。
- 選挙操作・選挙区の恣意的な設定(ゲリマンダリング)
- 司法や独立機関への政治介入
- メディア規制・報道への圧力
- 反政府的な市民団体・NGOへの締め付け
- 非常事態宣言の恒常化による行政権の拡大
民主主義の研究機関「フリーダムハウス」や「V-Dem(民主主義の多様性)」プロジェクトは毎年各国の民主主義指標を公表しており、近年は世界規模での民主的後退傾向を報告しています。ハンガリー・トルコ・インドなどが代表例として言及されることがあります。
民主的後退は、権威主義的なポピュリストの台頭、経済的不平等の拡大、社会的分断の深化などと密接に関連しており、現代政治学の最重要研究テーマのひとつとなっています。
使い方・例文
選挙で正当に選ばれた指導者が就任後に司法の独立性を損ない、反対派メディアを廃刊に追い込むといった事例が、民主的後退の典型として国際社会で批判を受けます。
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