末法思想とは?
まっぽうしそう
末法思想とは、釈迦の入滅後に仏法が衰退して世が乱れるという仏教の時代観・終末論的思想のことです。
末法思想とは、仏教の歴史観・時代区分の考え方の一つで、釈迦(ゴータマ・シッダールタ)の入滅後、仏の教えが段階的に衰退していくと考える終末論的な思想です。
仏教では、釈迦の滅後を「正法」「像法」「末法」という3つの時代に区分する考え方があります。正法の時代は教え・修行・悟りが揃う理想期で、像法の時代は教えと修行はあるが悟りに達しにくくなる時期、そして末法の時代は教えの形骸だけが残り、修行も悟りも得られないとされる衰退期です。各時代の長さについては諸説ありますが、日本では正法・像法それぞれ1000年、末法は1万年続くという説が広まりました。
日本では平安時代末期、釈迦の入滅から数えて末法の時代が到来したと信じられ、貴族社会の衰退・武士の台頭・天変地異・飢饉などの社会不安と重なって、末法思想は広く人々の心を捉えました。この思想を背景として、以下のような動きが生まれました。
- 浄土信仰の隆盛(阿弥陀仏への帰依・念仏による往生)
- 法然・親鸞・日蓮らによる鎌倉仏教の興隆
- 平等院鳳凰堂などの浄土を模した建造物の建立
末法思想は単なる悲観論ではなく、困難な時代でも救いを求める宗教的熱情を生み出した原動力でもあります。日本中世の文化・宗教史を理解する上で欠かせない概念です。
使い方・例文
平安時代末期に「もはや末法の世が来た」と信じられ、貴族たちが盛んに阿弥陀仏への祈りを捧げ浄土信仰に帰依した場面が、末法思想の典型的な登場場面です。歴史や仏教の解説でよく取り上げられます。
この用語をシェア
最終更新: