択一的認定とは?
たくいつてきにんてい
択一的認定とは、刑事訴訟において複数の犯罪事実のどちらが成立するか確定できない場合でも有罪と認定できるとする法理論です。
択一的認定(たくいつてきにんてい)は、刑事裁判において、複数の犯罪事実の候補のうちいずれが真実かを特定できないものの、そのうちのどれかが必ず成立することは証拠上確かな場合に、被告人を有罪と認定できるとする法律理論です。
刑事訴訟の基本原則として「疑わしきは被告人の利益に(in dubio pro reo)」があります。しかし択一的認定の場面では、いずれの犯罪事実が成立するにせよ被告人が何らかの犯罪を犯したことに疑いの余地がなく、無罪とするのが不合理な場合があります。こうした状況に対処するために認められた論理です。
典型例として挙げられるのは、窃盗か横領かが不明な事案です。被告人が他人の財物を領得したことは明白だが、それが「他人が占有する物を盗った(窃盗)」なのか「自分が預かっていた物を着服した(横領)」なのか特定できない場合、その罪名を確定しないまま有罪とする余地が生じます。
ただし、択一的認定を安易に認めると被告人の防御権を害するおそれがあるため、日本の裁判実務・学説ともに慎重な立場をとっており、認められる範囲には一定の限界が論じられています。法律学・刑事訴訟法の研究において重要な論点のひとつです。
使い方・例文
「窃盗と横領のどちらが成立するかは証拠上判然としないが、択一的認定の理論によりいずれかが確実に成立するとして有罪判決が下された事例がある。」
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