情報の非対称性とは?
じょうほうのひたいしょうせい
情報の非対称性とは、取引の当事者間で保有する情報の量や質に差がある状態で、市場の失敗や非効率を引き起こす経済学の重要概念です。
情報の非対称性(information asymmetry)とは、市場取引において売り手と買い手、あるいは経営者と株主など、取引に関わる当事者が持つ情報の量・質が均等でない状態を指します。一方が相手よりも多くの情報を持つことで、不公平な取引や市場の非効率が生じます。
経済学においてこの概念を体系化したのは、ジョージ・アカロフ、マイケル・スペンス、ジョセフ・スティグリッツの3氏で、2001年にノーベル経済学賞を共同受賞しました。アカロフの「レモン市場」モデルが特に有名で、品質のわからない中古車市場では売り手(品質を知っている)と買い手(知らない)の情報格差が、市場全体を機能不全に陥らせることを示しました。
情報の非対称性から生じる代表的な問題には以下があります。
- 逆選択(adverse selection):情報が少ない側が不利な相手と取引しやすくなる現象(例:保険加入者に高リスクな人が集まりやすい)
- モラルハザード(moral hazard):契約後に情報優位な側が不正直な行動を取るリスク(例:保険加入後に注意が散漫になる)
- プリンシパル=エージェント問題:依頼人(株主)と代理人(経営者)の利害・情報格差からくる非効率
金融市場、医療、労働市場など、現実の多くの場面で情報の非対称性は存在し、制度設計や規制のあり方を考える上で欠かせない概念です。
使い方・例文
中古車の購入時、売り手は車の故障歴や消耗状態を詳しく知っていますが、買い手にはその情報がありません。この情報格差が典型的な情報の非対称性であり、第三者機関による車両検査や品質保証がその是正手段として機能します。
この用語をシェア
最終更新: