彼は誰時とは?
かわたれどき
彼は誰時とは、夜明け前の薄暗い時間帯を指す日本語の古語で、「あの人は誰だろう」と見分けがつかないほど暗い明け方の情景を表します。
彼は誰時(かわたれどき)とは、夜明け前の薄明かりの時間帯を指す日本語の古語・雅語です。まだ暗くて人の顔が見分けられないほどの薄暗さを表し、「あの人は誰だ(彼は誰)」と問わなければわからない時刻というのが語源とされています。
似た言葉に「誰そ彼時(たそがれどき)」があります。こちらは夕暮れ時を指し、「あの人は誰だ(誰ぞ彼)」という問いに由来する点では同じです。彼は誰時が夜明け前の明け方であるのに対し、誰そ彼時(黄昏)は夕暮れ時を指すという対比があります。どちらも人の顔が判別しにくいほどの薄明の時間帯に結びついた美しい表現です。
気象・時刻の観点から整理すると次の通りです。
- 彼は誰時:夜明け前〜日の出直前の薄暗い時間帯
- 誰そ彼時(黄昏):日没直後〜夜になりかける時間帯
- どちらも「薄明(はくめい)」と呼ばれる時間帯に対応する
「薄明」は天文学的には太陽が地平線から一定角度(6度・12度・18度)以下にあるときを指し、市民薄明・航海薄明・天文薄明に区分されます。彼は誰時はこのうち特に明け方の薄明に相当します。
この言葉は和歌・物語・俳句など日本の古典文学に多く登場し、夜明けの神秘的・幻想的な雰囲気を描く際に用いられてきました。現代でも文学的・詩的な文脈で使われる趣のある表現です。
使い方・例文
「彼は誰時」は時代小説や俳句の中で「彼は誰時、野を渡る霧の中に人影が浮かんだ」というように、夜明け前のほの暗い幻想的な場面を描くときに登場します。
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