廣松渉とは?
ひろまつわたる
廣松渉(ひろまつ わたる)は、20世紀日本を代表するマルクス主義哲学者で、「関係の第一次性」を中心とした独自の存在論を展開しました。
廣松渉(1933〜1994年)は、日本の哲学者・思想家です。東京大学で哲学を学び、同大学教授として多くの後進を育てました。マルクス主義の哲学的基盤を批判的に再検討しながら、独自の「関係主義的存在論」を構築したことで知られています。
廣松の思想の核心は「関係の第一次性」という概念にあります。一般に私たちは「まず個々の実体(モノや主体)があり、その後に関係が生まれる」と考えがちですが、廣松はこれを逆転させ、「関係こそが一次的であり、実体は関係の産物にすぎない」と主張しました。この視点はマルクスの物象化論(商品・貨幣・資本などが独自の力を持つように見える現象の分析)を哲学的に深化させたものです。
主な著作には『マルクス主義の地平』『存在と意味』『世界の共同主観的存在構造』などがあります。難解な文体で知られる一方、その思想は言語論・認識論・社会理論など広範な領域に影響を与えました。
1960年代から1990年代にかけての日本の左翼思想・マルクス主義哲学の展開において中心的な役割を担い、今日でも哲学・思想史の研究において重要な参照点となっています。
使い方・例文
「廣松渉の関係論は、主体と客体という近代哲学の図式そのものを問い直すものだ」という形で、哲学的議論や思想史の授業で言及されます。
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