底層水とは?
ていそうすい
底層水とは、海洋の深部に存在する低温・高塩分・高密度の水塊で、海洋大循環の源となる重要な水の層です。
底層水(ていそうすい)とは、海洋の最深部に存在する水塊のことです。英語では「bottom water」または「abyssal water」と呼ばれます。低温・高密度・高溶存酸素という特徴を持ち、海洋全体の物質循環や気候調節に重要な役割を果たしています。
底層水の形成メカニズムは、主に極域の海面で起こります。南極大陸周辺(ウェッデル海など)や北大西洋高緯度域では、冬季に海水が冷却されて密度が増大し、さらに海氷形成時に塩分が排出されることで、周囲より高密度の重い水塊が生じます。この水塊は沈み込んで海底へと到達し、底層水を形成します。
代表的な底層水として南極底層水(AABW:Antarctic Bottom Water)があり、世界の深海底の多くを占める最も寒冷・高密度な水塊として知られています。底層水の主な特徴は次のとおりです。
- 水温がほぼ0〜2度前後と極めて低い
- 塩分濃度が高く密度が大きいため海底へ沈む
- 溶存酸素が豊富で、深海生物の生存を支える
- 数百〜数千年かけてゆっくりと移動する
底層水は「海洋大循環(サーモハライン循環)」のエンジンとなっており、熱帯の暖かい表層水を高緯度へ輸送するベルトコンベヤーの一部を担います。気候変動による極域海洋の変化がこの循環に影響を与える可能性が、科学的に注目されています。
使い方・例文
「地球温暖化による南極の氷の融解が底層水の形成に影響し、海洋大循環を変化させる可能性が指摘されている」というように、海洋物理学や気候科学の文脈で登場します。
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