十分理由律とは?
じゅうぶんりゆうりつ
十分理由律とは、いかなる事物・真理・出来事も、それが存在し・真であり・生起するための十分な理由が必ずあるとする哲学上の原理です。
十分理由律(じゅうぶんりゆうりつ、ドイツ語: Satz vom zureichenden Grund)とは、「何ものも理由なしには存在せず、何ごとも理由なしには起こらない」とする哲学的原理です。ゴットフリート・ライプニッツが体系的に定式化したことで知られ、矛盾律とならんで彼の哲学体系の根幹をなします。
ライプニッツによれば、宇宙に存在するあらゆる事実や真理には、なぜそうであってそうでないのかを説明する十分な理由(根拠)が存在しなければなりません。神が「なぜこの世界を創ったか」にも十分な理由があるとし、これを神の選択の合理性を説明する根拠として用いました。
後にアルトゥル・ショーペンハウアーは著作『充足根拠律の四つの根について』で、十分理由律を以下の4形態に分類しました。
- 認識の根拠(なぜそれが真か)
- 生成の根拠(なぜそれが生じたか=因果律)
- 存在の根拠(数学的空間・時間における根拠)
- 行為の根拠(動機・意志の根拠)
現代では科学的因果性や論理学の基盤とも関連付けられ、「なぜ何もないのではなく何かがあるのか」という存在論的問いとも密接に結びついています。
使い方・例文
「なぜこの橋は崩れないのか」という問いに対して構造力学的な理由を挙げること、また「なぜ今日は雨なのか」に気象学的根拠を示すことは、どちらも十分理由律を自然に適用した思考です。
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