主観主義的倫理学とは?
しゅかんしゅぎてきりんりがく
主観主義的倫理学とは、善悪や道徳的価値は客観的な事実ではなく、個人の感情や態度に基づくという立場の倫理学説です。
主観主義的倫理学(subjectivist ethics)とは、道徳的な判断や価値(善・悪・正・不正)が客観的に存在する事実ではなく、判断する主体の感情・態度・選好に依拠すると主張する倫理学の立場です。
主な学説として以下が挙げられます。
- 道徳感情論:ヒュームやスミスに代表される立場で、道徳判断は理性ではなく感情に基づくとする
- 情動主義:エイヤーやスティーブンソンが主張。「これは悪い」という言明は感情の表出にすぎず真偽を持たないとする
- 指令主義:ヘアが提唱。道徳言語は事実の記述ではなく行動を促す「指令」だとする
主観主義的倫理学が生まれた背景には、自然科学の発展により道徳的事実が自然科学的事実に還元できないという問題意識があります。「なぜ殺人が悪いのか」を科学的に証明することの困難さが、道徳の主観性という発想を支持する根拠の一つとなっています。
一方で批判も多く、「主観主義では道徳的議論が成立しなくなる」「相対主義に陥り規範が機能しなくなる」といった指摘が、客観主義的倫理学や普遍主義から寄せられています。
使い方・例文
「あの行為は正しいと私は感じる」という表現が、主観主義的倫理学の考え方を示す典型例です。道徳の普遍性を議論する倫理学・メタ倫理学の授業や文献でよく登場する概念です。
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