ヴォールト・ド・クロワズとは?
う゛ぉーるとどくろわーず
ヴォールト・ド・クロワズとは、二つのアーチ状の天井(ヴォールト)が直角に交差することで生まれる、中世ヨーロッパ建築に特徴的な交差ヴォールトのことです。
ヴォールト・ド・クロワズ(Voûte d'arête)は、フランス語で「交差ヴォールト」または「グロイン・ヴォールト」を意味し、二本の筒形ヴォールト(バレル・ヴォールト)が互いに直交して重なり合うことで生まれるドーム状の天井構造です。交差部に生じる稜線(グロイン)が視覚的な特徴であり、空間を力強く区切りながらも開放感を演出します。
ローマ時代の浴場や公共建築ですでに用いられ、中世のロマネスク建築に引き継がれました。その後、交差部に石造りのリブ(肋骨状の補強材)を設けた「リブ・ヴォールト」へと発展し、ゴシック建築の技術的基盤となりました。リブを加えることで荷重を柱へ集中させ、壁を薄くして大きな窓を設置することが可能になったのです。
構造上の利点として次のような点が挙げられます。
- 正方形・長方形の平面にも対応しやすい
- 複数の空間を連続して覆うことができる
- 側面への横推力を軽減できる
日本では建築史の文脈で「交差ヴォールト」「グロイン・ヴォールト」とも呼ばれ、西洋建築の石造技術を理解するうえで重要な概念です。教会堂の身廊や地下聖堂(クリプト)など、宗教建築に多く見られます。
使い方・例文
ロマネスク様式の修道院や大聖堂の地下聖堂を見学すると、天井がくの字に交差した稜線を描くヴォールト・ド・クロワズを間近に観察できます。
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