レバント地方とは?
ればんとちほう
レバント地方とは、地中海東岸に位置する歴史的地域で、現在のシリア・レバノン・ヨルダン・イスラエル・パレスチナなどを含む文明の交差点です。
レバント地方(Levant)とは、地中海の東岸一帯を指す歴史的・地理的な呼称です。現在の国家に当てはめると、シリア・レバノン・ヨルダン・イスラエル・パレスチナ自治区、さらに場合によってはトルコ南部やエジプトのシナイ半島周辺を含む広い地域を指します。「レバント」はフランス語で「太陽が昇る地」(東方)を意味し、ヨーロッパから見た「東方」として中世以降に広く用いられた言葉です。
レバント地方は人類史上でも屈指の重要地域であり、農耕文明の発祥地のひとつ「肥沃な三日月地帯」の一角を担います。フェニキア・カナン・アラム・ユダヤなどの古代文明が栄え、アルファベットの起源とされるフェニキア文字もこの地域で生まれました。また三大宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)の聖地が集中し、宗教・文化的に世界的な重要性を持ちます。
歴史的にレバント地方を支配した勢力は多岐にわたります。
- 古代エジプト・アッシリア・バビロニア・ペルシャ各帝国
- アレクサンドロス大王のマケドニア帝国とセレウコス朝
- ローマ帝国・ビザンツ帝国
- イスラム諸王朝・十字軍国家・オスマン帝国
- 近代における英仏の委任統治
現代では「レバント」という語はISIL(イスラミック・ステート)の旧称に含まれたことから注目されましたが、本来は地中海東岸の歴史・文化圏を示す学術・地理用語です。現在もアラブ料理・音楽・文化などを語る際に「レバント文化」として使われます。
基本データ
| 人口 | 約4,455万人 |
|---|
出典:Wikidata
使い方・例文
考古学や中東史の文脈で「レバント地方の古代遺跡」と言えば、フェニキア文明の港湾都市跡や旧約聖書ゆかりの遺跡群が典型例として挙げられます。国際ニュースでも中東情勢の地域概念として登場します。
この用語をシェア
最終更新: